シュークリームの罠

シュークリームが美味いのだ。いや、シュークリームは美味いもんなのだが、それは日本での話。日本の洋菓子は大体はフランスからの派生なので、イタリアではとんと縁がない。特にカスタードクリームは、あのバニラテイストというのは何故かこちらでは出逢わず、なんかレモンとかよく分からない風味をつけてくれるクリーム。不味い。不味いどころかクソ不味い。アメリカの食事をバカにするイタリア人は多いが、イタリア人も大概だ。自国のモノ以外、基本イタリア人は味オンチだ。

話を元に戻すと、そんなところに救世主、近所のスーパーにたまに出てくるシュークリームが、これが日本のと同じ味なのだ。この街に住んで早5年、2月にこっちに来てた母が何も分からず買ってきたお陰で、素晴らしいシュークリームと出逢えた。しかし難点が2つ、「たまにしか置いてない」「そのスーパーが歩きでしかいけない」非常に悩ましい。なのであったらなるべく大量買いする。他の買い物もあるので持てる袋のスペースを考えて、なるべく、だ。勿論、それ目当てに行く。無かったら別の、そんな大して美味くもない菓子を代わりに買って、後悔して、また次行こうとする。目当てに行って、そしてあった場合、もう、沢山買うのだ。そこにあるだけ買うのだ。

でも家に帰ってから気付くのだ。あな、冷蔵庫にそんな入れるスペースはあったかなと。人間は非常に愚かである。スペースを空ける為に他の食材を多めに食べる羽目になる。本当に人間は愚かである。沢山シュークリームを買ってきたからとはいえ、すぐに消費せねば美味しさは下がっていくのだ。だから2日3日の内にたらふく食べる事になる。そして体重があられもなくなってしまう。本当に人間は愚かで残念だ。