メガネのちょうど鼻にあたる箇所にデキモノができて、そしてそれを潰してしまったものだから、メガネをきっちりかけると違和感があってとてもしょうがない。触れると、微妙に痛い。

白い耳毛が一本生えていた。それも僕ではなく、親父に。それは産毛の草原に凛とそびえ立っていた、たかが1cm程度だけど。

風呂からあがると、親父の頭を触っていたおかんが「見て見て!」と楽しそうに言うので、何事かと思った。親父の耳の中に白い毛が一本生えている、というので、やけに楽しそうなおかん。でもそんなおかんを見ると、案外気分がいいのです。


そんなおかんがこの時期に要求することは、毎年決まっていて、「息子がチョコを沢山もらってきて、そのチョコを食べさせろ」っていう途方もない要求。まずお前の息子がそんな、芸能人みたいな扱いをされることがあるわけないだろう。深読みすると、わざわざチョコレートを沢山買ってこいっていうことなんだろうか?

モルゾフの生チョコを、亭主である親父のために沢山買ってきて、自分が散々食べてるおかん。俺がそれを食べようとすると、「あんたはあたしに、自分が貰ったチョコをくれないから」という理由で、俺が差し出した手をピシャリと叩くおかん。じゃあ俺もおかんのために買ってこないよ。

でもン年振りにクレープを作ってくれた。俺はおかんのクレープが好きだ。ラヂオ頭のクリープも勿論好きだ。