文章を自分の心のまままっすぐに書くのは難しい。どこか違う方に寄れかかってしまう、まるで目を瞑って歩いてるみたいに。

ここ最近女性の知り合いやコンタクトが増えている。私の犬っころの本能としては超嬉しいのだが、理性的には処理しきれなくて、どうやってこの人と距離を置いて仲良くなれるか、考えてばかり。彗星みたいに急にすごい勢いで近付いて、でもすぐに遠ざかる。これの繰り返し。だから近付けても、軌道はすぐに変化して、恋に衝突したためしがない。

何気なく東欧の治安に関するメールをしていた後輩から、今度欧州に住み始める女の子を紹介されかかっていたりすれば、その後輩から失恋した、というメールがあったりする。さらにUKで休暇を過ごそうと思ってるタイミングに、ちょうどロンドンに来る、という話をされたりする。神様は私に退屈を与えないらしい。

他人に対して全力で優しくしないといけない、と子どもの頃から一般常識として与えられるのだが、20代はこの優しさにあわよくばという欲望を貼付けて過ごし、30代はどうやら貼付ける作業が自動化してしまい、飽きてくる世代のようだ。

精一杯の優しさを渡しながら、優しくしない方が良いと心の中で警告する。でも優しくしないなんて出来ないし、それに60%-80%くらいの優しさなんて子どもの頃の一般常識に反していて、それもまた出来ない。本能と理性が少しばらばらになっていて、それはそれでしんどい。

幸いなのは、状況として何一つ期待もないこと。そしてそれに特に落ち込んでもいないこと。後輩は「みるくてぃさんは、ないです」とはっきり言ってくれてるし、ちょっと甘い言葉を吐こうもんなら「キモい」としっかり言ってくれる。彼女はロンドンにいる別の人を頼るようだし、私は私でロンドンだけに留まるつもりもない。アビーロードとか、グラスゴーとか、とても行きたい。ただ本能くんが心無しかがっかりしているようで、彼を慰めるためにこれまたしんどい。

さて明日からはハンガリー、ホッローケーとホルトバージを周遊するつもり。仕事のついでに、前泊で観光するんだから、その事を忘れないようにしないと。

やっぱりメールが来ることは嬉しいのだ。だからついつい遊びの方ばかり考えて、理性の方を疎かにしてしまう。ちょっとは集中しよう、まだ時間もある。