世迷言

陽の当たる午後は今日もけだるさを増して
まどろみの中を長く浮かんでいたんだ
寝そべったベッドの中に吸い込まれるように
君の匂いを嗅ぎ分けた

小さな毎日がそこでおしゃべりをしてた
窓の外の子ども達の笑い声に
幸せだな、なんて呟いた君は微笑む
シャボン玉が弾けて消えた

いつの間にか幸せは過ぎて 君はそこにいない
消えてしまいそうな霧を歩いてきて あと少しで君の手を離しそうだ

ああもしも晴れたら 今すぐ会いに行こう
ずっと伝えようとしたことも 忘れようとしたことも 全て一つずつ話すよ

ポカンと心に空いた穴 君がいない部屋
時間が経つ音だけがもう響き渡って
ニュースキャスターが円高を憂う度に 世迷言を僕は呟く

明日と今日の境目がもう曖昧になった
座標軸の中を今日もかき分けるばかり
君に次会う時を指折り数えてるよ
強がりを空に送る

君と繋いだ手 君と歩いた道 君と揃った場所
君と見た景色 君といた夜空
君がいないと違う世界に迷ってるようだ

ああもしも会えたら 今すぐ会えたら
きっと壊れそうなこの想いも 崩れそうなこの自信も 全て君にだけ話すよ

二人はいつも言葉を探して お互いの世界を彩ってたんだ
二人はいつしかその距離を離して そしてセピア色がかる

ああもしも会えたら 今すぐ会えたら
ずっと伝えようとしたことも 忘れようとしたことも 全て一つずつ話すよ

ああもしも晴れたら 今すぐ会えたら
ああもしも会えたら今すぐ伝えるよ

そうだ会いに行こう そうか会いに行くよ