昔の好きな人を調べた話と、ネットって怖いねって話

僕の側からしてみたら嬉しいけれど、彼女の側にしてみたら恐怖でしかないと思う。でも僕は何もするつもりないですよ、当然ながら。

Kaoという台湾人の取引先に電話しようとした時。

僕は彼の事を友人と思っていて、携帯の中には、中華系が欧米で使う西洋ネームではなく、本名の漢字で登録している。Kaoは漢字では高雄Kaoshungの「高」。その「高」と打ったところ、すごい昔の知り合いの連絡先もババッと出てきた。

日本の番号契約を切ってから、それまでの連絡先の番号はまず殆ど使わないし見返さない。久しぶりに見る「高」が付く人たちの中に、高校時代好きだったコの連絡先があって、ふっと彼女のことを思い返した。うん、「好きだった」ということは、まぁフラれた相手なわけです、付き合ってもいないし、殆どしっかり会話してもいない。憧れみたいな感じでした。

そんで何を思い立ったか、彼女の名前をGoogle先生にサーチしてもらったんです。組み合わせ的には珍しい名前ではないので、彼女本人ではない人たちが色々ヒットした。当たり前だけど、写真がなくてもなんとなく記載されていることで本人ではないことが分かる。わざわざグーグルの2ページ目まで行く必要もない。

そんでさらに何を思い立ったか、画像検索のところを見たわけですね。何でそんなこと思い立ったんだろう。なんかミスなんちゃらみたいなのがヒットして、すごい水着姿が出てきたんだけど、それは幸か不幸か本人じゃあない。でも、その隙間にすごい真面目な画像、なんか偉そうなおっさんと握手する彼女本人の写真を発見したわけです。ある機関紙の一部で、鮮明ではないけれど、まさしく彼女の顔とスタイル。え?何これ?すごい。

あんま深く書いてしまうと検索できてしまうので深く語りませんが、経歴も若干記載されていて、僕が知っているまでのものと一致するので、間違いなく彼女本人のようだ。どうやら2年間イギリスに留学していた様子。しかも去年まで。しかもまだ苗字が変わっていないから、つまりは独身ということになる。おいおい、俺よ、何で去年までに見つけなかったorz

そんで漢字検索からアルファベット検索に切り替えました。そうすると、おぉ、出るわ出るわ。彼女が獲ったアワード。彼女の留学先での成果。若干、写真も写っていて、そこには変わらない彼女が写っていた。

まぁすごいのが彼女のLinked Inアカウントまで見つけてしまった。ここには彼女の経歴がびっしり記載されていて、つまりは彼女がしっかりそれを使っているということ。調べると現在は東京にいるようで。で、僕が東京にいる頃に彼女もまた東京にいたようで。おいおい、俺よ、何でその時に見つけなかったorz

僕は不覚ながら楽しんでしまった。何せ、一人のこれまでの歴史を解き明かすような感覚だったからだ。特に彼女は高校時代から不思議な女性で、高校時代も周りと仲良くやっているようで、見ている世界が他の人のそれと違ったからだ。そんな彼女だからこそ、僕は憧れたんだと、今になってはっきりと思う。僕もまた他の人と同じだったのだ。だからこそ、一人の偉人の歴史を紐解くような感じで、楽しくて、今もまた反芻してしまう。

 

しかし、だ。

そんな簡単に彼女のことが調べ上げられてしまうネット環境に、我ながら慄いている。

全く話が変わるが、そしてこれまた深く話すことが出来ないのだが、僕が勤めているようなITとは無縁の会社でも、使っているITツールを辿れば、誰が何にアクセスしたとか分かってしまうって最近教えてもらった。僕ら従業員だけのことではない、客先、サプライヤに関しても、だ。

上司もそれに関しては、マーケティングの意味では歓迎だけど、反面自分の行動を鑑みると恐ろしいと言っていたので、この恐怖は僕だけではないはず。

うひゃあ、こないだ高校の同窓会の連絡先を聞かれて、イタリア在住なんていうちょっとした自慢も含めて、また我が会社の宣伝も兼ねて、個人情報をクソ真面目に記載したわけだけど、今更になってすごい後悔している。ちなみに届いた連絡簿には、イタリア在住はおろか、ヨーロッパ在住も近い歳ではいなかった、残念。。。

僕は分別のある大人に、少しくらいは成長したつもりだけれど、これが心無い人間だったらどうなったんだろう。いや、何もならんかいね、僕らくらい小さいレベルだと。

ちなみに背が高くて、スタイルの良い、そんな彼女は、絶世の美女ではないけれど、綺麗な顔立ちだし、そんな彼女がまだ独身ということは、彼女は自分のやりたい事をしっかり見据えているんだと思う。そんな彼女だからこそ今も昔も憧れを覚えてしまう。

妻子が全ての今の僕は、何をするつもりも、感情もない。全く離れた日陰ながら彼女のことを応援しているし、寧ろ自分のやりたい事を貫き通す姿に尊敬を覚えて、自分もまたそういった人間になりたいなぁ、と思うだけ。

他人の頑張っている姿を見ることって、自分自身にとっても大事だと思う。この調べた思いつき、偶然に感謝したい。